栄養学講座Ⅹ

それでは、葉酸からでございます。

葉酸(プテオイルグルタミン酸)は、ビタミンB12と共に赤血球をつくるのに使われます。

ほうれん草の葉から取れたので葉酸というそうです。

葉酸は、タンパク質・核酸の合成・細胞分裂・成長促進に作用します。

葉酸が欠乏すると、貧血や口内炎、食欲不振、発育不全といった症状をまねくことになります。

また、動脈硬化やガン、脳障害へのリスクも高まると言われています。

通常、葉酸は腸の中の細菌が作ってくれるので通常の食事をしていれば大丈夫ですが、妊婦・

授乳婦・抗生物質・避妊薬・を飲んでいる人は不足しやすい。

葉酸は、胎児の発育にかかせないもので、適切な量の葉酸の摂取は、胎児の神経管閉鎖障害

のリスクを軽減する可能性が高いと、考えられています。

特に、妊娠する1か月以上前から妊娠3か月までの間に、毎日十分な量の葉酸を摂取することが

効果的であるといわれています。その目安は1日あたり、様々な野菜を350g食べることですが、

調理による損失率も高いので、栄養補助食品などのサプリメントで補ってもよいでしょう。

ただし、これらを使用する際には、必ず量を確認し、過剰にとり過ぎないように気をつけましょう。

多く含まれる食材は、酵母・レバー・卵・豆類・野菜類(ホウレン草)をはじめとする緑黄色野菜や

果物に多く含まれていますが、熱に弱い上に水に溶けやすい性質があるため、調理により

損失しやすいので注意しましょう。

ビタミンB12やビタミンCを含む食品と一緒にとると吸収がいいです。

成人1日あたりの推奨量 240μg


ナイアシン(ニコチン酸)は、熱や酸、アルカリに強く普通の調理法では分解されることはありません。

動物や植物に広く含まれていて、人間も新陳代謝の副産物として体内で生成されます。

トリプトファンというアミノ酸とビタミンB2、B6から作られます。

そのためビタミンという名を通常は使いません。

ナイアシンは、糖・脂質・タンパク質を作ったり、エネルギーに変えるのに必要なもので

その他では、脂肪酸・性ホルモン・インスリン合成・血行促進・脳神経の働き促進などに作用する。

ほかにも解毒作用や老化防止の作用も持っています。

アルコール、コーヒー、砂糖、抗生物質などはナイアシンの吸収を妨げます。

また、トウモロコシにはナイアシンの働きを失わせる物質が含まれています。

ナイアシンを意識して摂取する必要性は十分にあります。

不足状態に陥ると、皮膚、口内炎、口角炎、舌炎と云った皮膚や粘膜の障害でぺラグラといって

皮膚炎・下痢・神経症状があらわれます。

ナイアシンの1日の所要量は大人男性16mg、大人女性13mg

アルコールを多く飲む人、成長期の子供、激しい運動をする人、ベジタリアンの人、ストレスの

多い人、糖や澱粉を極端にとる人、以上のような人はナイアシンを多く摂取する必要があります。

必要量以上は尿として排出されますが過剰摂取により様々な症状を引き起こします。

尿酸値が上がり痛風発作を起こしたり。肝機能の異常、消化性潰瘍の悪化、吐き気、腹痛、

下痢、精神障害などが上げられます。

食品に含まれるのは、かつお節・酵母・ぬか・干し椎茸・落花生などです。


パントテン酸は、ストレスの抵抗力をつけるのに必要なものです。

現代人は、不足しているように思われます。

パントテン酸は、脂質の分解・合成・善玉コレステロールを増やす・糖やタンパク質の分解・合成

に関係があります。クエン酸サイクル(クレブスサイクル)の回転を促進する。

あと、副腎皮質ホルモンを作ったり、副腎を強化して抗ストレス体制を作ります。

従って免疫力強化・自律神経の正常化・解毒作用・放射能の害からも細胞を守ってくれます。

腸内細菌が作ってくれるのですが、人間が感謝を忘れてイライラと気持ちが高ぶると作ってくれる

量が減るのです。

ビタミンCと共にアレルギー、ストレス、疲労回復に必要。大量摂取が慢性関節リュウマチに

効果的です。神経炎、神経疾患、てんかんを防ぐ補助的役割があります。

酸・アルカリに分解されやすく、熱にも破壊されやすいと云うデータがあります。

調理の過程で減るので気を付けましょう。

アルコールやカフェインは、パントテン酸の吸収を妨げてしまいます。

抗生物質を飲んでいる人、ストレスの多い人は不足に注意しましょう。

多く含むものは、酵母、肉類、魚介類、小麦胚芽、牛乳、卵類、ブロッコリー、トマト、

ローヤルゼリー等に多く含まれています。必要量は10㎎です。

鉄がパントテン酸の代謝に必要な栄養素なので、バランス良く摂取することをお薦めします。


ビオチンは、はかってビタミンHと命名されていましたが、研究が進むにつれてその働きが解明され

ビタミンB群に分類されました。食物に広く含まれているうえ、腸内細菌によって合成されるので、

一般的には欠乏することはありません。

生卵を好んで摂取したり、長期間にわたって抗生物質を摂取している場合を除いては

心配ありません。しかし、栄養源を調製粉乳に頼るしかない乳児には不足しがちな栄養素です。

酸やアルカリには不安定ですが、熱には強いという性質を持っていますので、調理方による損失は

少ないようです。

最近の研究でアレルギー症状の元凶と言われているヒスタミンの増加を抑える働きがあることが

わかり、アトピー性皮膚炎に対するビオチンの役割が再認識されました。

アメリカの小児科学会では粉ミルク利用乳児のビオチンの1日の推奨摂取量を10~15μgとして

いてます。

ビオチンは、糖・脂質・タンパク質の分解・合成に働き、皮膚を正常に保ち、白髪や抜け毛を防ぎ

核酸や性ホルモンの合成にも働いています。

ビオチンの1日の所要量は大人男性30μg、大人女性30μg

多く含まれる食品は、レバー・魚介類・卵・豆類・野菜類・果実類・キノコ類・きな粉・玄米・ギンナン

古い油を使った料理を食すことが多い人、アルコール、コーヒーを多飲する人、極端な偏食の人

などは意識して摂取しましょう。


こうしてみますと如何に多くのビタミンが腸又は腸内細菌により作り出されているのでしょう。

これほどまでに人間の腸は大事なのです。

それではどうしたら腸のパワーをあげられるのでしょうか?

それには、腸をどんどん運動させる事です。

これにともなって腸内細菌の働きも良くなります。

やり方は、肛門をしめて下腹を出したりひっこめたりの運動を、毎日100回くらいやるといいです。

プラスやりながら人体に必要なビタミンがどんどんつくられるのだと念じながらやりましょう。

はじめは、お腹が走った後のように痛くなるので少しづつ回数を増やしていきましょう。

次回はミネラルです。
2008/5/23





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